Windows および Linux イメージバックアップ編|Macrium Reflect 8
Macrium Reflect 8 を使ったイメージバックアップ操作方法です 。「Macrium Reflect で linux のバックアップとリストア」で linux システムのバックアップ/リストアについて簡単に掲載しましたが、もっと具体的な説明を行います。Windows のイメージバックアップ取得も同じ操作になりますので、Windows のバックアップ操作にも利用できます。
Macrium Reflect 8 について
Macrium Reflect 8(以下、MR8 と記述)は、Windows 用バックアップ/リストア/クローンのアプリケーションとして使用されるのが一般的です。
ユーザーガイドを見ると、MR8 がサポートするファイルシステムは、FAT16, FAT32, NTFS, exFAT, ReFS (server editions のみ), Ext2, Ext3, Ext4 となります。しかし、さらに調べると「All other file systems and unformatted partitions will be imaged on a sector by sector basis, i.e, every sector in the partition will be copied.(その他のファイルシステムやフォーマットされていないパーティションは、セクターごとにイメージが作成される。つまり、パーティションのすべてのセクターがコピーされる)」という記述があることから、明確に、サポートする、と記載がないファイルシステムでもコピー(バックアップ)を取ることが可能と思えます。
試しに Mint Cinnamon(物理マシン)上の ext4、btrfs、xfs、vfat のパーティションについて、MR8 でイメージバックアップを取得してリストアを行ったところ、システムの復元が可能でした。しかし MR8 には、linux をサポート(対応)している、という明確な記述はありません。したがって、linux を対象にしたバックアップ/リストはイレギュラーな使い方かと思います。ご承知おきください。
説明の例として使用した Mint Cinnamon のファイルシステム情報を下に示しておきます。
以下では、Mint Cinnamon を例にとり、Macrium Reflect 8(MR8) イメージバックアップ 取得の操作方法を説明します。
バックアップの基本方針
- バックアップアプリケーション:Macrium Reflect 8(MR8)
- バックアップ手法:オフライン(コールド)バックアップ
- バックアップ方法:フル(完全)バックアップ
- バックアップ先(Destination):USB 接続の外付け HDD
バックアップ基本方針の説明
1.MR8 は一般的には、Windows 用のバックアップ/リストア/クローン用アプリケーションとして使用されています。これを、linux システムのバックアップ/リストアにも使ってみます。まず、Windows に MR8 をインストールしたら、必ず「レスキューメディア」を作成してください。WinRE または WinPE ベースのいずれでも構いません。ISO 形式で作成しておけば、CD/DVD メディアまたは USB フラッシュドライブでも利用が可能です。オフラインバックアップとリストアには、このレスキューメディアを使用します。
2.Windows または linux システムに静止点を設けてバックアップします。24時間運用のアプリケーションが稼働していないシステム(個人ユースなど)なら、この手法が適用できます。なお、MR8 を linux システムに直接インストールして使用することはできません。MR8 のレスキューメディアから起動(BIOS/UEFI で起動を優先)することで、linux のバックアップが可能になります。このとき、Windows または linux システムは停止状態ですが、MR8 が起動すれば、Windows または linux のドライブが認識されますので、バックアップやリストアが可能になります。
3.操作が簡単で悩まない「フルバックアップ」を行います。リストアが必要になるときというのは、緊急事態となることが多く、余裕がありません。したがって、複雑な操作はなるべく避けるのが安全です。また、RTO(Recovery Point Object)を短くできます。
4.操作上の安全のため、バックアップ先(Destination)であることが明確にわかるボリューム名にしてください。ここでは、「USB-backup」にしてあります。
バックアップの操作手順
操作の説明は、スクリーンショットを取得するため VMware Workstation の仮想マシンで行いますが、実際の物理マシンでも確認しています。また MR8 には、日本語版がありますが、日本語表記が適切ではない箇所がありますので、英語版を使って説明します。
↑作成した WinRE または WinPE の MR8 レスキューメディアから起動させます。このマークが出るまで時間がかかったり、またはこの画面がなく MR8 の起動が始まる場合もあります。
↑続いて、MR8 の起動が始まります。
↑MR8 の最初の画面になったら、[Create Backups]タブをクリックしてください。バックアップを取得する対象のドライブ「Disk 1」が認識されています。これが、バックアップ元(Source)となる linux システムのドライブです。ここでは 2つのパーティションとして見えています。また、バックアップ先(Destination)として接続した USB 外付け HDD(ボリューム名:USB-backup)なども表示されています。もし、USB HDD が認識されないときは、[ Refresh ]をクリックしてください。
↑バックアップ元(Source)の対象ドライブを確実にするため、Source ドライブのみのチェックボックスにチェックを入れてください。それ以外の外付け USB HDD(USB-backup)などの左のチェックボックスをオフにしてください。
↑バックアップ元(Source)ドライブの全パーティションにチェックを入れ、この下にある、[Image this disk...]をクリック
↑バックアップ先(Destination)を設定します。フォルダーのマークをクリック
↑バックアップ先として、「USB-backup」を選択して[ OK ]
↑バックアップ先として、「E:\」が選ばれています(ドライブレターは気にしないでください)。この下にフォルダーを作成してそのフォルダーにバックアップイメージを格納することも可能です。ここでは、ドライブ直下にバックアップイメージを作成します。[Advanced Option]をクリック
↑バックアップを確実にするため[Auto Verify Image]を選び、[Verify image or backup file directly after creation]にチェックして、[ OK ]。こうすることで、バックアップイメージを作成した後、ベリファイ処理が行われます。
↑「Backup File Name」ですが、空白にすると MR8 が一意の名前を決めます。ご自身でファイル名を決めても構いません。[ Next > ]をクリック
↑バックアップ処理内容が表示されます。内容を確認し、設定の指示を終了する、という意味で[ Finish ]をクリック
↑バックアップ処理のステップに入ります。「Initializing」続いて「Testing disk write speed...」が進行しています。
↑続いて、保存処理が進行中です。
↑保存処理後のベリファイが行われています。
↑バックアップ処理が終了しました。「Image and Verification Completed Successfully」を確認して、[ Close ]。MR8 の最初の画面に戻ったら、[Reflesh]をクリックすると「USB-backup」ドライブにバックアップイメージが保存されたことが分かります。(実際、Destination の USB-backup に保存されているデータ量が増えているのですが、残念ながらそのスクリーンショットを取っていません)
↑バックアップ先(Destination)「USB-backup」にデータが保存されたら、左下のマークをクリックすると、「Close WinPE Session」ウインドウの[Shutdown]を選択し、[ OK ]をクリック。これでシャットダウンします。
以上で、イメージバックアップ処理は終了です。この後、MR8 レスキューメディアを取り外してから、通常のシステム起動を行ってください。システムに不具合が生じたときには、取得したイメージバックアップファイルを使ってリストアを行えば、バックアップした時点の状態に復旧することができます。
取得したイメージバックアップからのリストア操作は、別のトピックといたします。
以上
いつものことで大変恐縮ですが、上記の記載内容は独自の理解や個人的な見解に基づいています。間違いがないことを保証するものではないことをご了承願います。
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